タイで会社設立する手順と流れ|2026年最新の登記ステップ・必要書類・期間を解説

※ 本記事の日本円換算は1バーツ=約5円(2026年3月時点)で計算しています。為替レートにより変動します。
タイで会社を設立したいけれど、「何から始めればいいのか」「どのくらいの期間がかかるのか」がわからない。そんな方のために、この記事ではタイでの会社設立の手順を、設立前の準備から登記後の手続きまで一気通貫で解説します。
2026年1月からはオンライン登記が必須化されるなど、タイの会社設立制度は変わり続けています。この記事では、2026年最新の制度変更も踏まえて、実際にタイで会社を設立・運営している筆者の実体験を交えながら、リアルな全体像をお伝えします。
タイで会社設立する全体の流れ【3フェーズ・10ステップ】
タイでの会社設立は、大きく「設立前の準備」「登記手続き」「登記後〜事業開始」の3フェーズに分かれます。まずは全体像を押さえておきましょう。
| フェーズ | ステップ | 目安期間 |
|---|---|---|
| A. 設立前の準備 | ①事業内容・外資規制の確認 | — |
| ②資本金・株主構成の決定 | — | |
| ③オフィス(登記住所)の確保 | 1〜2週間 | |
| B. 登記手続き | ④社名(商号)の予約 | 即日〜3日 |
| ⑤基本定款の登記 | 1〜2日 | |
| ⑥設立総会の開催 | 1日 | |
| ⑦会社登記(最終登記) | 1〜5営業日 | |
| C. 登記後〜事業開始 | ⑧法人銀行口座の開設 | 1〜2週間 |
| ⑨税務登記(Tax ID取得) | 登記後60日以内 | |
| ⑩ビザ・ワークパーミット取得 | 2〜4週間 | |
| トータル目安 | 約2〜3か月 | |
筆者は2018年にローカル会計事務所に一括で依頼し、設立からビザ・ワークパーミット取得まで約7週間で完了しました。自分でやったのは書類へのサインだけ。プロに任せればこのくらいのスピード感で進みます。
以下、各フェーズの詳細を順番に解説していきます。
2026年最新:知っておくべき3つの制度変更
タイの会社設立手続きは基本的な流れこそ大きく変わっていませんが、近年いくつかの重要な制度変更がありました。古い情報のまま準備を進めると余計な手間が発生するので、最新の変更点を先に押さえておきましょう。
① オンライン登記が必須に(2026年1月〜)
2026年1月1日以降、タイでの会社設立に関するすべての登記手続きは、商務省事業開発局(DBD)のオンラインシステム「DBD Biz Regist」を通じて行う必要があります。従来の紙ベースの窓口申請は受け付けられなくなりました。
ただし、実務上はローカルの会計事務所や法律事務所が代行するケースがほとんどです。依頼者側の手間が大きく変わるわけではありませんが、「すべてオンライン化されている」ということは知っておくと安心です。
② 株主が2名でOKに(2023年改正)
2023年2月の民商法改正により、会社設立に必要な発起人・株主の最低人数が3名から2名に引き下げられました。個人で起業したい方にとっては、パートナーを探すハードルが下がった大きな変更です。
なお、ネット上では「株主は最低3名必要」と書いてある古い情報がまだ多く残っています。2026年現在は2名で問題ありませんので注意してください。
③ e-Visa導入でBビザ申請がオンライン化(2025年1月〜)
2025年1月からe-Visaが導入され、ビジネスビザ(Non-Bビザ)の申請がオンラインで行えるようになりました。従来は日本のタイ大使館・総領事館の窓口で申請する必要がありましたが、手続きが大幅に簡素化されています。ビザ取得の詳しい手順は「タイのビザ・ワークパーミット取得ガイド」で解説しています。
フェーズA:会社設立前に決めておくこと
登記手続きに入る前に、事前に決めておくべきことが3つあります。ここを曖昧にしたまま進めると、後から手戻りが発生するので注意してください。
① 事業内容と外資規制の確認
タイでは「外国人事業法」により、外国資本が50%以上の会社が営める事業が制限されています。サービス業や小売業などは原則としてタイ資本が51%以上でなければ設立が認められません。つまり、多くの日本人起業家は、タイ人パートナーを見つけて日本側49%・タイ側51%の株主構成にする必要があります。
製造業は外資100%での設立が可能ですし、BOI(タイ投資奨励委員会)の認可を受ければ規制が緩和されるケースもあります。まずは自分の事業が外資規制の対象かどうかを確認することが最初のステップです。
② 資本金・株主構成の決定
タイでは法律上の最低資本金はありませんが、外国人がビザ・ワークパーミットを取得するには外国人1名につき最低200万バーツ(約100万円)の払込済資本金が必要です。日本人を2名配置するなら400万バーツ、3名なら600万バーツとなります。
また、資本金500万バーツ以下の中小企業には法人税の軽減措置があるため、節税の観点からも資本金額は慎重に決める必要があります。
筆者は日本人2名体制でスタートしたため、資本金を400万バーツ(200万バーツ×2名分)に設定しました。株主構成は日本側49%・タイ側51%で、タイ側の株主は信頼できる知人のタイ人にお願いしています。タイの商法では代表取締役の権限が非常に強いため、日本人が代表になっていれば実質的な運営に問題はありませんが、タイ人パートナーの選定は間違いなく設立時の最重要判断です。51%の株式を持つ相手次第では会社を乗っ取られるリスクもゼロではないため、信頼関係を十分に築ける相手を選ぶことが大切です。
③ オフィス(登記住所)の確保
会社登記にはオフィスの賃貸契約書が必要です。本格的なオフィスでなくても、レンタルオフィスやサービスオフィスで登記できるケースもあります(事業ライセンスが必要な業種は制限あり)。オフィス選びの詳細は「バンコクのオフィス賃貸ガイド」をご覧ください。
フェーズB:会社設立の登記手続き【4ステップ】
フェーズAの準備が整ったら、いよいよ登記手続きに入ります。タイの会社登記は、商号予約→基本定款→設立総会→最終登記の4ステップです。2026年現在はすべてDBDのオンラインシステムで行います。
④ 社名(商号)の予約
まず、商務省事業開発局(DBD)に会社名を予約します。類似名がないか確認され、問題なければ即日〜3日程度で許可が出ます。予約した商号は30日間有効で、その間に基本定款の登記に進む必要があります。候補は3つ以上用意しておくのが無難です。英語名・タイ語名の両方を登録します。
⑤ 基本定款の登記
会社の基本情報(社名、所在地、資本金、発行株式数、発起人情報など)を記載した基本定款を登記します。登記料は500バーツです。2026年現在、発起人は最低2名以上で、各自が定款に署名します。
⑥ 設立総会の開催
株式引受人による設立総会を開催し、付属定款の採択、取締役・監査人の選任、株式引受の承認などを行います。タイでは会社の規模に関係なくすべての会社に監査義務があり、タイ人公認会計士を監査人として選任・報告しなければなりません。
⑦ 会社登記(最終登記)
設立総会の後、3か月以内に会社登記を完了させます。登記料は資本金10万バーツにつき500バーツ(上限25万バーツ、下限5,000バーツ)です。登記が完了すると登記証明書が発行され、会社は法的に成立します。
なお、資本金の初回払込は登記資本金の25%以上が必要です。外国人のビザ・ワークパーミット取得条件として求められる資本金額(1名につき200万バーツ)は、この払込済金額で判断される点に注意してください。
これらの書類作成・申請手続きは、ほぼすべてタイ語で行われるため、実際にはローカルの会計事務所や法律事務所に代行を依頼するのが一般的です。筆者もローカル会計事務所(現地パートナー)に一括で依頼し、自分は書類にサインするだけでした。自分でDBDに出向く必要はありませんでした。
フェーズC:登記後〜事業を始められる状態にするまで
会社登記が完了しても、すぐに事業を始められるわけではありません。口座開設、税務登記、ビザ取得など、事業開始に必要な手続きがまだ残っています。このフェーズを見落としている記事が多いですが、実際にはここが一番時間がかかる部分です。
⑧ 法人銀行口座の開設
登記簿が発行されれば法人口座の開設が可能になります。日本人に人気があるのはカシコン銀行(KBank)とバンコク銀行で、いずれも日本語対応の窓口がある支店があります。ただし、銀行によってはワークパーミット取得後でないと口座開設できないケースもあり、タイミングの調整が必要です。
口座開設時にはネットバンキングの申請も一緒に済ませておくことをおすすめします。タイではオンラインでの送金や決済が一般的で、窓口に行かずに資金管理ができるようになります。
⑨ 税務登記(Tax ID取得)
会社設立後60日以内に、歳入局で税務登記を行い、Tax ID(法人ID)を取得する必要があります。年間売上が180万バーツを超える場合は、あわせてVAT(付加価値税7%)の登録も行います。
税務登記が完了すると、毎月のVAT申告や源泉徴収税の申告など、継続的な経理業務が発生します。これを自社で対応するのはかなり大変なので、経理代行に外注するのが現実的です。詳しくは「タイで経理代行を外注すべき理由」をご覧ください。
⑩ ビザ・ワークパーミット取得
日本人がタイで合法的に働くには、Bビザ(ビジネスビザ)とワークパーミット(労働許可証)の両方が必要です。大まかな流れは、Bビザ取得→ワークパーミット申請→1年ビザ延長です。
ビザ・WP取得の前提として、外国人1名につきタイ人4名の雇用(社会保険加入済み)が条件となります。この条件をクリアしないとビザが発行されないため、タイ人スタッフの採用・社会保険登録を先に進めておく必要があります。
ビザ・ワークパーミットの取得手順や費用は「タイのビザ・ワークパーミット取得ガイド」で詳しく解説しています。
会社設立にかかる費用と依頼先別の相場
タイでの会社設立費用は、どこに依頼するかで大きく変わります。以下は、設立手続きの代行費用とビザ・WP取得費用を合わせた目安です。
| 依頼先 | 設立代行費 | ビザ+WP | フルパッケージ |
|---|---|---|---|
| ローカル会計事務所に直接 | 30,000〜50,000THB | 30,000〜50,000THB | 60,000〜100,000THB |
| 日系コンサル・法律事務所 | 100,000〜200,000THB | 50,000〜100,000THB | 150,000〜300,000THB |
| 日本の進出支援会社経由 | 150,000〜300,000THB | 50,000〜100,000THB | 200,000〜400,000THB |
| 海外窓口(当サービス) | 50,000THB〜 | 58,000THB〜 | 118,000THB〜 |
※ 上記は代行手数料の目安。登記実費(登記料・社判作成等)は別途。為替レートにより円換算は変動。
費用の内訳を詳しく知りたい方は「タイで会社設立にかかる費用」で、項目別・依頼先別の相場を解説しています。
実際にタイで会社を設立した筆者の体験談
筆者は2018年にバンコクでDayzero Bangkok Co., Ltd.を設立しました。7年以上タイで会社を運営してきた立場から、設立時に感じたことをお伝えします。
設立はローカル会計事務所に一括依頼。自分は書類サインだけ
設立手続きはすべてローカルの会計事務所に一括で依頼しました。社名予約から登記、ビザ・ワークパーミット取得まで約7週間で完了。費用は設立+ビザWPで約90,000THB(約45万円)でした。自分でDBDの窓口に行ったり、書類を作成する必要は一切なく、送られてきた書類にサインするだけでした。
自分で決めなければならなかったのは「パートナー選び」
手続き自体はプロに任せれば簡単です。しかし、「誰をタイ人株主にするか」だけは自分で決める必要がありました。タイでは外資規制のため、日本人は最大49%しか株式を持てません。つまり、51%を持つタイ人パートナーに会社の過半数を預けることになります。
筆者は信頼できる知人のタイ人に株主になってもらいましたが、正直なところ、いつでも会社を乗っ取られるリスクはゼロではありません。代表取締役の権限が強いタイの法律構造を活かして運営できてはいますが、パートナー選びは設立プロセスの中で間違いなく最も重要な判断です。
2018年も2026年も、基本の流れは同じ
筆者が設立した2018年と2026年現在を比べると、オンライン登記の必須化や株主人数の引き下げ(3名→2名)といった制度変更はありますが、設立の基本的な流れは変わっていません。事前準備→登記→口座開設→ビザ取得というステップは同じです。制度が変わっても、信頼できるパートナーに任せれば設立自体はスムーズに進みます。
会社設立手続きの依頼先を選ぶポイント
タイでの会社設立を依頼する先は大きく4パターンあります。それぞれの特徴を理解して、自分に合った依頼先を選びましょう。
① ローカル会計事務所に直接依頼
費用は最安。ただしやり取りは英語またはタイ語。タイの商習慣に慣れていない方にはハードルが高い。細かい要望を伝えるには語学力が必要。
目安:60,000〜100,000THB
② 日系コンサル・法律事務所
日本語対応で安心。法務面のアドバイスも充実。ただし費用は高めで、設立だけで15万〜30万バーツかかるケースも。大企業向け。
目安:150,000〜300,000THB
③ 日本の進出支援会社経由
日本にいる段階から相談できる。ただし現地作業は下請けのローカル事務所が行うことが多く、中間マージンが乗るため費用は最も高い。
目安:200,000〜400,000THB
④ 海外窓口(当サービス)
日本語で問い合わせ→実務はローカル事務所が対応。日系事務所よりリーズナブルで、ローカル直より安心。設立・経理・ビザをワンストップで対応。
フルパッケージ:118,000THB〜
タイの会社設立でよくある質問
Q. 会社設立にはどれくらいの期間がかかる?
準備〜登記〜ビザ取得まで含めて約2〜3か月が目安です。書類の準備がスムーズに進めば、ローカル事務所への依頼で7〜8週間で完了するケースもあります。
Q. 日本にいながらタイで会社設立できる?
書類の準備や方針決定は日本にいる段階で進められますが、登記に必要な書類へのサインや、ビザ・ワークパーミットの取得にはタイ現地での手続きが必要です。完全にリモートだけでの設立は難しいのが現状です。
Q. 資本金は全額すぐに用意しないといけない?
いいえ。登記時の初回払込は資本金の25%以上で構いません。ただし、外国人のビザ取得条件である200万バーツは「払込済資本金」で判断されるため、その金額は実際に振り込む必要があります。
Q. 1人でもタイで会社設立できる?
株主は最低2名必要ですが、取締役は1名で問題ありません。個人起業家でも、タイ人パートナー1名と合わせれば設立は可能です。ただし、ビザ取得には資本金200万バーツ+タイ人4名の雇用が条件となる点に注意してください。
Q. 設立後に毎月必要な手続きは?
VAT申告、源泉徴収税の納付、社会保険の申告、月次の経理報告書の作成などが毎月発生します。年次では法人税の確定申告と監査も必要です。詳しくは「タイで経理代行を外注すべき理由」や「タイの法人税・税金まるわかりガイド」をご覧ください。
まとめ:タイでの会社設立手順のポイント
タイでの会社設立は、設立前の準備 → 登記手続き → 登記後の手続きの3フェーズ、全10ステップで進みます。トータル期間の目安は約2〜3か月です。
2026年最新の制度では、①オンライン登記の必須化、②株主2名でOK、③e-Visaの導入、という3つの変更点を押さえておくことが重要です。
手続き自体はプロに任せればスムーズに進みます。自分で注力すべきは、事業内容・資本金・株主構成といった事前の意思決定と、何より信頼できるタイ人パートナーの選定です。
→ タイ進出の全体像を知りたい方は「タイ進出の準備やることリスト」もご覧ください。
📋 タイで会社設立にかかる費用(内訳と依頼先別の相場)
📋 タイのビザ・ワークパーミット取得ガイド(手続き・費用・必要書類)
📋 タイで経理代行を外注すべき理由(費用相場・業務範囲・選び方)
📋 タイの法人税・税金まるわかりガイド(税率・計算方法・申告)
📋 バンコクのオフィス賃貸ガイド(エリア別相場・契約の注意点)
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