タイ進出の準備やることリスト|検討開始〜事業スタートまでの全手順を解説








タイ進出の準備やることリストを検討開始から事業スタートまで時系列で解説するイラスト

※ 本記事の日本円換算は1バーツ=約5円(2026年3月時点)で計算しています。為替レートにより変動します。

タイへの進出が決まった。でも「何から手をつければいいかわからない」——そんな声をよく聞きます。

ネットで調べても、会社設立の手順だけ、ビザの取り方だけ、オフィスの借り方だけ……と情報がバラバラで、全体像がつかめないのが実情です。

この記事では、タイ進出の検討開始から事業スタートまで、やるべきことを時系列で整理しました。「いつ・何を・どの順番で・いくらで」がわかるチェックリストとして使えます。筆者自身が2018年にゼロからタイ法人を設立した実体験も踏まえて書いています。

この記事でわかること

・タイ進出の全体スケジュール(検討〜事業開始まで約3〜6ヶ月)
・フェーズ別のやることリスト(5段階)
・タイ進出にかかる費用の全体像【一覧テーブル】
・2026年の制度変更で押さえておくべきポイント
・よくある失敗パターンと回避策
・【実体験】ゼロからタイ進出した実際のスケジュール

タイ進出の準備は5フェーズで考える【全体スケジュール】

タイに非公開有限会社を設立し、日本人1名が現地で事業をスタートするまでの一般的なスケジュールです。スムーズに進めば約3〜4ヶ月、余裕を持つと約6ヶ月が目安です。

Phase 1:情報収集・検討(1〜2ヶ月)
 ↓
Phase 2:準備・手配(1〜2ヶ月)
 ↓
Phase 3:会社設立(1〜1.5ヶ月)
 ↓
Phase 4:ビザ・WP取得(1〜2ヶ月)
 ↓
Phase 5:事業開始・運営体制構築

Phase 1:情報収集・検討(1〜2ヶ月)——タイ進出の方向性を決める

まずは「タイに進出して何をしたいのか」を明確にし、必要な情報を集めるフェーズです。

□ 事業計画の整理(業種・サービス内容・ターゲット市場)
□ 進出形態の検討(現地法人 / 駐在員事務所 / GEO)
□ 外資規制の確認(自社の業種が外国人事業法の規制対象か)
□ 資本金の準備計画(200万バーツ〜 / 日本人1名の場合)
□ タイ人株主(パートナー)の検討(出資比率51%以上が必要)
□ 信頼できる現地パートナー・代行業者の選定
□ 初期予算の概算(設立+ビザWP+オフィス+経理)

⚠ 外資規制は最初に確認
タイでは製造業は外資100%で参入可能ですが、サービス業・商社業は外国人事業法で制限されています。自社の業種が規制対象かどうかによって、進出形態や必要な手続きが大きく変わります。BOI(タイ投資委員会)の認可を受ければ外資100%が可能な業種もあるため、早い段階で確認しましょう。

Phase 2:準備・手配(1〜2ヶ月)——設立に必要なものを揃える

進出を決定したら、会社設立に向けた具体的な準備に入ります。

□ オフィスの選定・契約(登記住所として使えるか確認)
□ 会社名(商号)の候補を決定(英語・タイ語)
□ 取締役・株主構成の決定(最低2名。2023年の法改正で3名→2名に)
□ 定款に記載する事業目的の整理
□ 代行業者と正式契約(設立・ビザ・経理のスコープを確認)
□ 日本側の書類準備(パスポート・英文経歴書・卒業証明書等)
□ 資本金の送金準備(タイの銀行口座開設後に送金)

💡 オフィスは登記前に確保する
タイでは具体的な住所がなければ法人登記ができません。サービスオフィスなら月額20,000バーツ〜(約10万円〜)で即入居可能で、登記住所としても使えるものが多いです。詳しくは「バンコクのオフィス賃貸ガイド」もご覧ください。
💡 卒業証明書は日本にいるうちに取り寄せる
ワークパーミット申請に英文の卒業証明書が必要です。大学に郵送で請求すると2〜3週間かかることがあるので、早めに手配しましょう。

Phase 3:タイで会社設立(1〜1.5ヶ月)

書類が揃ったら、商務省事業開発局(DBD)への登記手続きに入ります。2026年1月からはオンライン(DBD Biz Regist)での申請が必須です。

□ 商号の予約(DBDオンラインシステム / 即日〜数日)
□ 基本定款の登記
□ 設立総会の開催(議事録作成)
□ 最終登記(会社設立登記)
□ VAT事業者登録(税務署)
□ 銀行口座の開設(取締役の訪タイが必要)
□ 資本金の払い込み(銀行残高証明書の提出)
□ 社会保険の登録
□ 経理代行の契約開始(設立翌月から税務申告が始まるため)

費用目安:設立代行30,000〜100,000バーツ(約15〜50万円)+登記実費10,500バーツ程度。依頼先によって大きく変動します。

→ 詳しくは「タイで会社設立にかかる費用は?」で解説しています。

Phase 4:タイでビザ・ワークパーミット取得(1〜2ヶ月)

会社設立が完了したら、日本人駐在員のビザ・ワークパーミットを取得します。

□ Bビザの取得(e-Visaでオンライン申請 or タイ国内切替)
□ ワークパーミットの申請(タイ労働省 / 数営業日)
□ 1年ビザへの延長(入国管理局)
□ タイ人従業員の雇用(外国人1名につき4名以上 / 社保加入)
□ リエントリーパーミットの取得(出国予定がある場合)
□ 90日レポートの初回届出(入国管理局 / オンラインも可)

費用目安:ビザ切替25,000バーツ〜 + WP+1年ビザ33,000バーツ〜(合計58,000バーツ〜 / 約29万円〜)

⚠ タイ人4名の雇用は早めに動く
外国人1名のビザ延長には、タイ人従業員4名の雇用(社保加入済み)が条件です。採用に時間がかかるケースも多いので、設立と同時に採用活動を始めましょう。

→ 詳しくは「タイのビザ・ワークパーミット取得ガイド」で解説しています。

Phase 5:タイで事業開始・運営体制の構築

会社設立・ビザ取得が完了したら、いよいよ事業開始です。同時に、継続的な運営体制を整えます。

□ 初月のVAT申告(設立翌月15日まで。ゼロ申告でも必要)
□ 月次経理のルーティン確立(領収書・請求書の共有フロー)
□ 就業規則の作成(従業員10名以上の場合は義務)
□ 名刺・ウェブサイト等の準備
□ 取引先・パートナーへの挨拶
□ 年次更新スケジュールの把握(ビザ・WP・法人所得税・監査)
□ タイの法人税・税金の基礎知識を把握

ランニングコスト目安:月28,000バーツ〜(約14万円〜)(オフィス20,000〜 + 経理8,000〜)。これにタイ人従業員の人件費(4名で月60,000〜80,000バーツ)が加わります。

→ 経理代行については「タイで経理代行を外注すべき理由」、税金については「タイの法人税・税金まるわかりガイド」で詳しく解説しています。

タイ進出にかかる費用の総まとめ【一覧テーブル】

各フェーズの費用を1つのテーブルにまとめました。「結局トータルでいくら?」の答えがここにあります。

費用項目 フェーズ 金額(バーツ) 日本円換算
会社設立代行費用 Phase 3 30,000〜100,000 約15〜50万円
商務省への登記料(実費) Phase 3 約10,500 約5万円
Bビザ切替 Phase 4 25,000〜 約12.5万円〜
WP取得+1年ビザ延長 Phase 4 33,000〜 約16.5万円〜
オフィス賃料(初年度12ヶ月) Phase 2〜 240,000〜1,200,000 約120〜600万円
経理代行(初年度12ヶ月) Phase 5〜 96,000〜 約48万円〜
年次監査 Phase 5〜 6,000〜20,000 約3〜10万円
資本金 Phase 3 2,000,000〜 約1,000万円〜
初年度トータル(資本金含む) 約2,440,000〜3,500,000 約1,220〜1,750万円

資本金を除いた初期費用(設立+ビザWP)は88,000〜170,000バーツ(約44〜85万円)が目安です。最も費用を左右するのは「オフィスの規模」と「依頼先の選び方」です。

→ 費用の詳しい内訳は「タイで会社設立にかかる費用」で解説しています。

2026年に押さえておくべき制度変更

① オンライン登記が必須に(2026年1月〜)

法人登記はすべてDBD Biz Registシステム経由。紙の申請は不可。代行事務所がオンライン申請に対応しているか確認が必要です。

② e-Visa(2025年1月〜)

日本でのタイビザ申請がオンライン完結に。大使館・領事館に出向く必要なし。15営業日で発行されます。

③ 株主は最低2名でOK(2023年改正済み)

以前は3名以上必要でしたが、2023年の民商法改正で2名に。古い情報の記事が多いので注意してください。

④ 商用30日以内のビザ免除(〜2026年12月)

進出前の視察・商談であれば、ビザなしで30日間タイに滞在可能。Phase 1の情報収集段階で活用できます。ただし就労はNGです。

タイ進出でよくある失敗パターンと回避策

❌ オフィスを決めずに設立手続きを始める
→ 登記には具体的な住所が必要。オフィスが決まらないと手続きが止まります。先にサービスオフィスを押さえましょう。

❌ 設立・ビザ・経理を別々の業者に依頼する
→ 情報の引き継ぎミスが起きやすく、スケジュールも遅れがち。ワンストップで依頼できる先を選ぶのがベスト。

❌ タイ人従業員の雇用を後回しにする
→ 外国人1名につきタイ人4名の雇用がビザ延長の条件。設立と同時に採用活動を始めないと、ビザ延長に間に合いません。

❌ 経理を後から考える
→ 設立翌月からVAT申告が始まります。設立完了時には経理代行の契約が済んでいる状態が理想です。

❌ 古い情報を信じてしまう
→ 「株主3名必要」「紙で登記申請」「大使館にパスポート預ける」——これらはすべて古い情報です。2023年以降の法改正・制度変更を反映した情報源を確認してください。

【実体験】ゼロからタイ進出した実際のスケジュール

筆者自身が2018年にゼロからタイ法人を設立した際の実際のスケジュールをお伝えします。

時期 フェーズ やったこと
1ヶ月目 Phase 1-2 事業計画整理。ローカル会計事務所をネットで探して比較。オフィス(サービスオフィス)の見学・契約。
2ヶ月目 Phase 3 会計事務所と契約。商号予約→定款→設立総会→会社登記完了。VAT登録、銀行口座開設、社保登録も同時進行。
3ヶ月目 Phase 4 Bビザへ切替(タイ国内切替ルート)。ワークパーミット申請。1年ビザ延長。
4ヶ月目〜 Phase 5 事業開始。経理代行スタート。初月のVAT申告。タイ人スタッフの採用。

トータルで約3.5ヶ月。Phase 1の検討期間をほとんど取らなかったため、やや急ぎ足でした。費用は設立+ビザWPで約90,000バーツ(約45万円)、経理代行は月6,000バーツ(当時)。ローカル事務所に直接依頼したため安く済みましたが、すべて英語でのやりとりでした。

💡 振り返って思うこと
当時は「安さ」だけで事務所を選びましたが、込み入った相談(税務署からの呼び出し対応など)で英語の壁を感じる場面がありました。今から進出する方には、日本語でのサポート窓口があるサービスをおすすめします。費用が少し上がっても、コミュニケーションのストレスがなくなるメリットは大きいです。

まとめ:タイ進出の全体費用と期間

全体スケジュール:約3〜6ヶ月(検討開始〜事業スタート)

初期費用(資本金除く):約88,000〜170,000バーツ(約44〜85万円)
→ 設立代行+ビザ・WP。依頼先で2〜3倍の差。

ランニングコスト:月88,000バーツ〜(約44万円〜)
→ オフィス+経理代行+タイ人4名の人件費。

資本金:200万バーツ〜(約1,000万円〜)
→ 外国人1名のWP取得に必要。運転資金として使える。

成功のカギ:全体を見渡した段取り+ワンストップで頼めるパートナー選び

タイ進出は、会社設立・ビザ・オフィス・経理と複数の手続きが同時並行で動きます。全体を見渡して段取りを組めるかどうかで、進出のスピードとコストが大きく変わります。

📋 タイで会社設立にかかる費用(内訳と依頼先別の相場)
📋 タイのビザ・ワークパーミット取得ガイド(手続き・費用・必要書類)
📋 タイで経理代行を外注すべき理由(費用相場・業務範囲・選び方)
📋 タイの法人税・税金まるわかりガイド(税率・計算方法・申告)
📋 バンコクのオフィス賃貸ガイド(エリア別相場・契約の注意点)

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