タイ会社設立の資本金|200万・300万THBの条件を整理【2026年】
タイ会社設立の資本金に「すべての会社へ共通する一つの正解」はありません。タイ資本会社の登記、外国人の就労、外国人事業法(FBA)、BOI投資奨励、法人税のSME税率では、見ている資本金と条件がそれぞれ違います。
制度確認日:2026年7月24日
「日本人1名につき200万THB」は会社登記の一律最低資本金ではありません。一般企業のワークパーミット審査で使われる代表的な払込資本の基準です。外資企業にはFBA上の200万THB・300万THB以上の基準があり、会社形態・外資比率・事業内容・許認可・外国人の人数を分けて設計する必要があります。
タイ会社設立の資本金|条件別早見表
最初に「誰が出資するか」「何の事業を行うか」「外国人がタイで働くか」を決めると、混同を避けられます。
| 会社・目的 | 確認する資本金 | 一般的な基準 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| タイ資本の非公開株式会社を登記 | 登録資本金・払込資本金 | 会社法上の一律最低額はない。金銭出資株式は原則25%以上を払い込む | 事業許可、就労、運転資金は別に確認 |
| 一般企業で外国人を雇用 | 払込資本金 | 審査基準の一つとして外国人1名あたり200万THB | これだけでWP・在留延長が保証されるわけではない |
| FBA上の外資企業・非規制事業 | 最低資本 | 200万THB | 事業がFBAの規制業種に該当しないか先に判定 |
| FBA上の規制事業を許可等で実施 | 最低資本 | 3年間の平均年間運営費の25%超、かつ300万THB以上 | FBL・証明書・個別許可条件を確認 |
| BOI投資奨励事業 | 投資額・登録資本・払込期限 | 事業区分と奨励条件ごとに決定 | 一般企業の200万THB基準だけで設計しない |
| SME法人税率を検討 | 期末の払込資本金 | 500万THB以下、かつ年間売上3,000万THB以下 | 資本金だけで軽減税率が決まるわけではない |
資本金の前に外資判定が必要な場合はタイの外資規制・外国人事業法ガイド、設立工程全体はタイ会社設立の手順と必要書類で確認してください。
タイ資本会社の登記|一律の最低額と25%払込を分ける
BOIのタイ事業ガイドでは、一般の非公開株式会社について会社法上の一律最低資本金はない一方、予定する事業に見合う妥当な資本を設定すべきと説明されています。少額で登記できることと、事業開始・許認可・外国人就労に十分であることは別です。
登録資本金・払込資本金・運転資金は同じではない
| 用語 | 意味 | 実務上の確認 |
|---|---|---|
| 登録資本金 | 定款・登記に記載する株式資本の総額 | 登記、事業許可、対外信用等で参照される |
| 払込資本金 | 株主が実際に会社へ払い込んだ金額 | WP、FBA、税務、出資証明等で参照される |
| 運転資金 | 賃料、人件費、仕入、専門家費用等に使う事業資金 | 資本金で賄う範囲と株主借入を分ける |
設立時の25%は「全部の手続きに足りる額」ではない
非公開株式会社では、金銭で引き受けた各株式について原則25%以上の払込が必要です。たとえば登録資本金200万THBなら、会社設立時の会社法上の払込は50万THB以上という計算になります。
ただし、外国人のワークパーミットで払込資本金200万THBを使う場合や、FBA上の最低資本を満たす必要がある場合は、25%だけでは不足することがあります。「登記できる払込額」と「事業開始・就労時までに必要な払込額」を別日程で管理してください。
DBDの現行案内では、会社設立の主な政府手数料は、基本定款登録500THB、会社設立登記5,000THBとされています。旧情報の「資本金に比例して登記手数料が増える」という説明を、そのまま現在の費用試算へ使わないでください。会社設立費用の区分はタイ会社設立の費用ガイドで整理しています。
200万THBはワークパーミット審査で使われる代表的な基準
タイ雇用局の案内では、タイ法人の雇用主について、払込登録資本200万THBにつき外国人1名という考え方が、ワークパーミット交付数を判断する基準の一つとして示されています。外国法人がタイへ持ち込む投資資金については300万THBにつき1名という説明もあります。
| 外国人の予定人数 | 200万THB基準だけで見た払込資本 | 設計時の注意 |
|---|---|---|
| 1名 | 200万THB | 事業内容、職務、給与、会社実態、在留資格等も確認 |
| 2名 | 400万THB | 採用時期に合わせた払込と増資の要否を確認 |
| 3名 | 600万THB | SME税率の資本要件500万THB以下との両立を再検討 |
払込資本は審査項目の一つです。会社の営業実態、職務の必要性、禁止職種、外国人の資格、給与・税務・社会保険、在留期間延長の人員基準等は別に確認されます。BOI、タイ人配偶者、駐在員事務所等では異なる基準・例外があり得ます。
外国人の必要書類・申請条件・更新はワークパーミット必要書類・取得条件ガイド、申請支援はビザ・ワークパーミット申請サポートをご覧ください。
外資企業はFBA上の200万・300万THB基準を先に確認
会社が外国人事業法上の「外国人」に該当する場合、タイ資本会社の会社登記だけを見て資本金を決めることはできません。BOIの公式事業ガイドは、FBAの規制業種に該当しない事業では最低資本200万THB、規制業種では3年間の平均年間運営費の25%を超え、かつ300万THB以上と説明しています。
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外資判定をする
株主の国籍、直接・間接の出資、議決権、実質的な資金負担を確認します。名義だけのタイ人株主を使うノミニーは採用しません。
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事業がFBAのどのリストに入るか確認する
サービス業、卸売・小売、仲介等は資本金額だけで自由に始められるとは限りません。FBL、FBA証明書、BOI投資奨励、個別業法の許可を切り分けます。
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最低資本と送金・払込期限を確認する
200万・300万THBは出発点です。規制事業では運営費計算で300万THBを上回ることがあり、許可条件によって資本・送金スケジュールが定められる場合があります。
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外国人就労の資本要件を重ねる
FBA上の最低資本を満たしても、外国人のワークパーミット・在留延長に必要な会社条件が自動的に満たされるわけではありません。
外資比率、FBL、BOI、ノミニー規制の判断フローはタイの外資規制・外国人事業法ガイドに分けています。
500万THB以下だけではSME法人税率は決まらない
タイ歳入局の案内では、SME向け法人税率の対象は、会計年度末の払込資本金が500万THB以下で、同じ会計年度の物品販売・サービス提供による収入が3,000万THB以下の会社・法人パートナーシップです。
| 判定項目 | 基準 | 確認時点 |
|---|---|---|
| 払込資本金 | 500万THB以下 | 会計年度末 |
| 年間売上 | 3,000万THB以下 | 対象会計年度 |
上の両方を満たす場合、歳入局が示す純利益別税率は次のとおりです。
| 純利益 | SME法人税率 |
|---|---|
| 300,000THB以下 | 免税 |
| 300,000THB超〜3,000,000THB以下 | 15% |
| 3,000,000THB超 | 20% |
英語の古い案内には、15%区分の上限を100万THBとする過去の表が残っています。現行記事では、タイ歳入局のタイ語ページに掲載されている300万THBまで15%の区分を使用します。適用年度、法令改正、BOI税制優遇等は決算時に再確認してください。
法人税率、半期申告、確定申告、損金の全体像はタイ法人税ガイドで確認できます。
出資証明・銀行書類は外資比率と500万THB超を確認
資本金は登記申請書に数字を記載するだけではありません。株主が実際に出資できること、誰が資金を負担したか、会社が資金を受領したことを説明できる資料が必要です。
登録資本金が500万THBを超える場合
DBDの会社設立案内では、登録資本金が500万THBを超える場合、中央登記所命令に基づく追加書類が必要とされています。金銭出資では、設立時と設立後に銀行発行書類を求められる手順があります。現金・資産出資の別、提出期限、名義を申請前に確認してください。
外国人株主がいるタイ資本会社
外国人の出資比率が50%未満の会社でも、タイ人株主が出資金を負担できることを示す銀行発行書類等が求められる場合があります。これはノミニー防止の確認であり、2026年から初めて始まった一律の「3か月明細」制度と単純化しません。申請時点のDBDチェックリストと担当登記官の指示を優先します。
- 株主ごとの出資額と資金の出所を説明できる
- 送金元・受領者・会社口座の流れが一致している
- 登録資本金、払込資本金、会計帳簿、株主名簿が一致している
- 株主借入と資本金を混同していない
- 名義貸しや出資金の循環を行っていない
自社の資本金を決める7ステップ
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株主構成と実質出資者を確定する
タイ人・外国人の比率だけでなく、出資原資、議決権、役員構成、事業上の意思決定を確認します。
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事業目的を一つずつFBA・個別業法へ照合する
登録する目的を広く並べるだけでなく、実際に売上を得る事業が許可対象かを確認します。
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外国人の就労人数と開始時期を決める
最初から必要な人数、採用後に増える人数、BOI等の別制度を分け、払込・増資の日程を作ります。
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FBA・許認可・WPの必要額を比較する
複数の基準がある場合は、最も高い金額だけでなく、払込期限と証明方法も並べて確認します。
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12か月の運転資金を見積もる
オフィス、給与、社会保険、会計税務、機材、仕入、許認可、予備費を月別に見積もります。
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SME税率の500万THB・売上3,000万THB基準を試算する
税率のために事業運営に不足する資本へ抑えず、必要資金と税務効果を同じ表で比較します。
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払込・証明・増資の手順を決める
設立時25%、事業開始前、WP申請前、増資時の各期限と必要書類を明確にします。
過大な資本金は、SME税率の資本要件、出資証明、将来の減資手続きに影響します。一方、過少な資本金は許認可・外国人就労・運転資金で不足します。会社の実態に合う金額と払込計画を選びます。
タイ会社設立の資本金でよくある質問
タイ会社設立の最低資本金は200万THBですか?
一律ではありません。一般のタイ資本の非公開株式会社には会社法上の一律最低額はありません。200万THBは、一般企業の外国人就労やFBA上の外資企業の一部で使われる基準です。
登録資本金の25%だけ払えば事業を始められますか?
会社設立時の会社法上の払込と、FBA、許認可、WP、事業運転資金は別です。25%で登記できても、事業開始・外国人就労までに追加払込が必要な場合があります。
外国人2名なら資本金400万THBでWPを取得できますか?
200万THB基準だけで計算すると400万THBですが、WPは資本金だけで決まりません。会社実態、職務、給与、税務・社会保険、在留延長基準、例外制度等も確認されます。
資本金500万THB以下なら必ず法人税が安くなりますか?
いいえ。歳入局のSME税率では、期末払込資本金500万THB以下に加え、年間売上3,000万THB以下という条件があります。純利益の区分と適用年度も確認します。
外資100%の会社は資本金300万THBあれば設立できますか?
資本金だけでは判断できません。FBAの規制業種か、FBL・証明書・BOI等が必要か、個別業法の外資規制があるかを先に確認します。規制事業では300万THBを超える最低資本になる場合もあります。
設立後に増資できますか?
できます。株主総会等の会社手続きとDBD登記、払込・証明、会計記録の更新が必要です。WP追加や事業拡大の時期から逆算し、SME税率への影響も確認します。
タイ人株主は銀行書類を必ず提出しますか?
外国人株主がいるケースや資本金額等により、タイ人株主の資力を示す銀行発行書類等が求められます。申請時点のDBDチェックリストと登記官の指示で確認してください。
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一次情報・参考資料
本記事は一般的な情報整理を目的としており、法的・税務・投資・就労上の助言ではありません。最低資本、払込比率・期限、FBA許可、BOI条件、出資証明、ワークパーミット・在留延長、SME税率は、会社形態、株主構成、事業、外国人の職務・人数、会計年度、当局運用で変わります。実際の会社設立、送金、出資、許認可、雇用、税務申告では、最新の公式情報と所轄当局、タイ法・税務の専門家による案件別確認を優先してください。


