タイ法人税ガイド|税率20%・中間申告・確定申告を2026年最新で解説

タイ法人の税務では、法人所得税だけでなく、VAT、源泉徴収税、給与・社会保険、年次決算・監査を別々の期限で管理します。まず法人税の計算と年2回の申告を理解し、月次税務とは分けて年間予定を組むことが重要です。

制度確認日:2026年7月24日

先に結論:タイの法人所得税は原則として課税純利益の20%です。一定の資本金・売上条件を満たす小規模会社には軽減税率があります。

申告は、事業年度の前半6か月終了後2か月以内に行う中間申告と、事業年度終了後150日以内に行う確定申告が基本です。実際の税額は、会計上の利益をそのまま20%で計算するのではなく、損金算入・不算入、繰越欠損金、税額控除、BOI恩典等を反映して確定します。

タイ法人税の対象と基本構造

タイの法人所得税(Corporate Income Tax)は、タイ法に基づき設立された会社・法人格のあるパートナーシップのほか、タイで事業を行う外国法人等にも関係します。会社形態、所得の発生場所、恒久的施設の有無などで課税関係が変わるため、外国法人との取引や国外送金がある場合は個別確認が必要です。

確認項目 法人税で見る内容 実務上の資料
納税主体 タイ法人、支店、外国法人等の区分 登記資料、株主・事業資料、契約
会計期間 通常12か月。初年度等は短い場合あり 会社登記、定款、決算月
課税標準 収益と費用を税法に合わせて調整した純利益 総勘定元帳、試算表、証憑、契約
申告 中間申告と確定申告 CIT 51、CIT 50、監査済み財務諸表等

申告書はPND 51・PND 50と表記されることもあります。本記事ではタイ歳入局の英語表記に合わせてCIT 51・CIT 50を併記します。

タイ法人税の標準税率は20%

タイ歳入局は、一般的な法人所得税率を課税純利益の20%と案内しています。売上高の20%ではなく、税務調整後の純利益に対して計算する点が重要です。

一定の小規模会社には軽減税率がある

払込資本金が500万THB以下で、年間の売上・サービス収入が3,000万THB以下などの条件を満たす会社には、課税純利益に応じた軽減税率があります。

課税純利益 税率 確認事項
300,000THB以下 免税 資本金・年間収入等の条件を満たす会社
300,000THB超〜3,000,000THB以下 15% 該当区分の利益部分に適用
3,000,000THB超 20% 3,000,000THBを超える利益部分
会社規模の呼び方だけで判断しない

社内で「中小企業」と呼んでいても、法人税の軽減税率に自動的に該当するわけではありません。払込資本金、年間収入、会計期間ごとの条件を確認してください。

税額計算の簡易例

軽減税率の条件を満たし、税務調整後の課税純利益が4,000,000THBの場合、単純計算では次のように区分します。

  • 最初の300,000THB:免税
  • 300,000THB超〜3,000,000THB:2,700,000THB × 15% = 405,000THB
  • 3,000,000THB超〜4,000,000THB:1,000,000THB × 20% = 200,000THB
  • 合計:605,000THB

上記は税率の仕組みを示す簡易例です。税額控除、源泉徴収済税額、BOI恩典等は反映していません。

タイ法人税の計算は会計利益を税務調整する

法人税は、会計上の収益から会計上の費用を引いた金額に、税法上の加算・減算を反映して課税純利益を求めます。

基本式

会計上の利益 ± 税務調整 − 利用できる繰越欠損金 = 課税純利益

課税純利益 × 適用税率 − 税額控除・中間納付等 = 確定時の納付税額

タイ歳入局は、事業に通常かつ必要な費用を基本としつつ、費用区分ごとの条件や限度を定めています。法人税、タイ政府へ支払うVAT、一定の引当金、私的・事業無関係の支出などは、会計上の費用に計上されていても税務上そのまま控除できるとは限りません。

主な論点 確認内容 準備する証拠
売上・収益 計上時期、未請求、前受、関連会社取引 契約、請求書、納品・検収資料
事業経費 事業関連性、証憑、支払先、VAT・源泉税処理 税務請求書、領収書、支払記録
固定資産 取得価額、使用開始日、耐用期間、償却 資産台帳、請求書、現物確認
交際費・寄付 税法上の限度、相手先、目的 承認記録、参加者、領収書
繰越欠損金 発生年度、利用期限、金額 過年度申告、監査済み財務諸表

繰越欠損金は原則5会計期間

タイ歳入局は、過去5会計期間の純損失を法人税計算上控除できる項目として案内しています。設立初期の赤字を将来の利益と相殺するには、発生年度と利用可能期間を台帳で管理する必要があります。

法人税の中間申告と確定申告

法人税は、CIT 51による中間申告と、CIT 50による確定申告を管理します。決算月から逆算し、会計処理、残高確認、監査、申告書作成の担当と締切を決めてください。

申告 一般的な期限 主な内容 事前準備
中間申告(CIT 51) 事業年度の前半6か月終了後2か月以内 年間純利益と法人税額を見積もり、見積税額の半分を予納 上期試算表、通期予測、特殊取引
確定申告(CIT 50) 事業年度終了後150日以内 年間の課税純利益と税額を確定し申告・納付 決算、監査、税務調整、過年度残高

期限の数え方、電子申告、休日、短い初年度、組織再編等で扱いが変わる場合があります。各年度の歳入局カレンダーと案件条件を確認してください。

決算から確定申告までの準備

  1. 月次処理の未完了を確認する

    銀行、売掛・買掛、VAT、源泉税、給与、社会保険、固定資産、在庫の未処理を一覧化します。

  2. 決算整理と残高確認を行う

    銀行残高、債権債務、関連会社、在庫、固定資産、借入、資本金等の残高を証憑と照合します。

  3. 監査資料を提出する

    監査担当へ総勘定元帳、財務諸表、証憑、契約、確認資料を渡し、質問と修正事項を管理します。

  4. 税務調整を確定する

    損金不算入、繰越欠損金、源泉徴収済税額、中間納付、BOI区分等を確認します。

  5. 申告・納付・提出を記録する

    CIT 50、納付証憑、監査済み財務諸表、DBD提出等の完了日と控えを保管します。

中間見積もりは通期予測で確認する

上期実績を単純に2倍するだけでは、季節変動、大口案件、為替、関連会社取引、資産売却等を反映できません。見積不足に対する追加負担が生じる場合があるため、通期予測と根拠資料を残してください。

VAT・源泉徴収税は法人税とは別に管理する

法人税の中間・確定申告だけ管理しても、日常の税務は完了しません。タイ法人では、取引内容に応じてVAT、源泉徴収税、給与関連税、特定事業税、印紙税等が関係します。

税務区分 法人税との違い 主な確認
VAT 売上と仕入に関する間接税 登録要否、税率、Tax Invoice、月次申告
源泉徴収税 対象支払い時に支払者が税を控除 支払内容、相手先、税率、証明書
給与関連 従業員の所得税・社会保険等 給与項目、入退社、月次・年次資料
特定事業税・印紙税等 特定の事業・契約・取引に関係 事業内容、契約種類、課税対象

タイ歳入局は、タイで継続的に商品販売・サービス提供を行い年間売上が180万THBを超える事業者を、原則としてVATの対象と案内しています。現在の一般税率は7%ですが、非課税・0%・特定事業税の対象等があるため、売上金額だけで判断しないでください。登録基準、Tax Invoice、売上VAT・仕入VAT、PP30、還付・繰越はタイのVAT登録・月次申告ガイドで詳しく整理しています。

BOI企業は奨励証書と事業別に法人税を分ける

タイ投資委員会(BOI)の認可を受けた事業では、活動区分や条件により法人所得税の免除・減税等が認められる場合があります。一般案内上は最長8年の免除や、先端的な技術・イノベーションを伴う一部事業で最長13年の免除が示されています。

BOI認可会社でも全売上が自動的に免税ではありません

奨励対象事業と非奨励事業の収益・費用、免税枠、開始日、条件達成を分けて管理します。実際の適用範囲は、最新のBOI基準と各社の奨励証書を優先してください。

タイ法人税のよくある質問

タイの法人税率は何%ですか?

一般的な法人所得税率は課税純利益の20%です。一定の払込資本金・年間収入条件を満たす小規模会社には、課税純利益に応じた免税・15%・20%の区分があります。

法人税は売上高に20%かかりますか?

通常は売上高ではなく、収益と費用を税法に合わせて調整した課税純利益を基礎に計算します。外国法人や特定事業等では異なる課税方式が関係する場合があります。

中間申告と確定申告はいつですか?

一般的には、中間申告は事業年度の前半6か月終了後2か月以内、確定申告は事業年度終了後150日以内です。電子申告、休日、会計期間等を含む正確な期限は当年度の公式カレンダーで確認してください。

赤字でも申告は必要ですか?

税額が発生しない場合でも、対象法人には申告・財務諸表提出等が必要です。赤字の金額は将来利用できる可能性があるため、申告と証拠を正確に残します。

繰越欠損金は何年使えますか?

タイ歳入局は過去5会計期間の純損失を控除対象として案内しています。BOI事業等は別の扱いが関係する場合があるため、発生年度と区分を確認します。

タイ法人が支払う配当の源泉税率は何%ですか?

タイ歳入局の一般税率表では、配当の源泉税率は10%と案内されています。ただし、受取人の属性、国内法、租税条約、BOI等により扱いが変わる可能性があるため、支払前に受取人別の適用条件を確認してください。

中間納付や源泉徴収済税額が確定税額を上回る場合はどうしますか?

タイ歳入局の案内では、確定法人税額を上回る中間納付額は過納税として還付申請の対象になり得ます。源泉徴収済税額を含む個別の税額控除・還付可否、証憑、申請期限、当局確認は会社ごとに照合してください。

月8,000THB〜の経理代行に法人税申告・監査は含まれますか?

月次経理と、年次決算・法人税申告・法定監査は分けて確認します。海外窓口ではサービス料、VAT、納税額・政府実費、年次・追加費用を区分してご案内します。

日本語ではどのように相談できますか?

通常は日本語のメール・チャットが中心です。契約、複雑な判断、打合せなど、必要な場面では日本人担当が参加します。

関連するガイド

タイの経理・会計代行サービスタイのVAT・PP30実務タイの個人所得税・給与源泉税会計事務所・経理代行の選び方海外窓口の料金一覧会社設立費用・維持費タイ会社設立サポートタイの給与・社会保険

月次・年次・追加対応を分けて確認します

決算月、月間取引件数、VAT登録、従業員数、過年度の処理状況を確認し、月次経理と年次決算・税務申告・監査の範囲を分けてご案内します。

法人税・経理の対応範囲を確認する経理代行サービスを見る

一次情報・参考資料

本記事は一般的な情報整理を目的としています。税率、申告期限、損金、税額控除、BOI恩典、必要書類は、会社形態、取引、会計期間、当局運用等により変わります。実際の申告では最新の公式情報と案件別の確認を優先してください。

\ 最新情報をチェック /

タイ進出のご相談はこちら

「まだ検討段階」でもOK。メールで気軽にご相談ください。

無料で相談する